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- 2012.03.24 Saturday
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森美術館では、シンガポールを拠点に香港、ロンドン、パリ、ベルリン、シドニーなど世界各地で作品を発表し、数々の国際ビエンナーレと国際映画祭で注目を集めるアーティスト、ホー・ツーニェン(何子彦)の個展「MAMプロジェクト016:ホー・ツーニェン」を開催しています。
1976年にシンガポールで生まれたツーニェンは、オーストラリアとシンガポールの大学で芸術学や地域研究を専攻し、映像を中心に、インスタレーション、演劇、参加型プロジェクト、音楽家とのコラボレーションなど、多様な表現をするアーティストです。
また映像作家として、第41回カンヌ国際映画祭、監督週間(2009年)、第66回ヴェネチア国際映画祭(2009年)、サンダンス映画祭(2012年)などにも参加しています。
展示しているのは、今回の展覧会のために制作され、2011年のヴェネチア・ビエンナーレで発表された新作の映像サウンドインスタレーション作品《未知なる雲》と2点の映像作品です。
まずはその《未知なる雲》をご覧ください。
展示室を囲む四面の壁面全体に、肥満した男女が大きく映し出され、圧倒的な存在感で観客に迫ります。役者、アレンジャー、夢想家などと名付けられた8人の演者たちは、老朽化したコンクリートの建物の一室や住まいを舞台に、植物の世話をしたり、研究にいそしんだり、或いはずっしりとベッドに沈んだりしながら、皆一様に最後は雲と戯れ、まとわりつかれ、飲み込まれます。やがて画面いっぱいに雲が広がり、雲の隙間から激しくドラムを叩く大柄な男性が登場、そして老朽化したそのビルの外壁を、まるで天国に昇るかのように、画面は上へ上へと少しずつ上がりながら、物語が終わりを迎えます。全身に響き渡る、美術館とは思えないほど(?)重低音の効いたサウンドとともに、六本木アートナイトの夜をお楽しみください。
ホー・ツーニェン
《未知なる雲》
2011-12年
4 チャンネル・ビデオ&10 チャンネル・サウンド・インスタレーション
17分、HD
撮影:森田兼次
写真提供:森美術館
森美術館 渡邉 茂一